Published February 6, 2023 | Version v1
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バンド編曲に向けたギター音源からベース音源を生成するCNNモデル

Creators

  • 1. 日本大学文理学部情報科学科

Contributors

Supervisor:

  • 1. 日本大学文理学部

Description

ギターは,軽音楽において中心的な楽器の1つである.そのため,多くのアマチュアギタリストが存在し,ギターを弾きながら作曲を楽しむ者も少なくない.しかし,作曲した楽曲をバンドで演奏するには,ベースやドラムスなど各楽器パートの演奏内容を決める作業(編曲)が必要になる.編曲を行うには,各楽器の特性を知る必要があったり,編曲した結果を人に伝えるには楽譜に書くかDTM (desktop music) を用いる必要があるため,簡単にできるものではない.

本研究が目指すのは,ユーザが作曲した楽曲の伴奏がギター1本で与えられたときに,他の楽器パートの演奏内容を自動で決めて、バンドで演奏できるようにするシステムの実現である.他の楽器パートとしては,ベース,ドラムス,キーボードなどが考えられるが,本稿ではベースのみを扱うこととする.

実験として,三つの条件と三つの特徴量抽出手法でそれぞれ学習を行い,どの特徴量抽出手法を用いたモデルが適切なベース音源を生成することができるかを比較する.評価基準として,予測音源と元音源との基本周波数の推定の重なり具合をグラフで表示するとともに,その一致度を割合を正解率として数値で表示させる.

どの条件下でもクロマグラムを用いたモデルが最も精度が高かった.だが,正解率の平均値を見てみると,8割を超える値になったものは一つもなく,適切なベース音源を生成することができているかという部分はまだ達成できていなかった.ただ,クロマグラムを用いたモデルに関しては基本周波数の推定結果から,オクターブのずれも正解だと考慮した場合,モデルの平均正解率はかなり上がった.今後の課題としては,今回の実験で用いた音源はかなり条件付けているので,多種多様な音源に対応できるようにデータセットの数を増やし,学習精度を上げていく.他にも,特徴量抽出手法の設定条件を変更して,どの条件が最も精度が高くなるかの検証を行う必要がある.

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